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2008.11/07 [Fri]
農林水産省地方農政局と国土交通省地方整備局の廃止の光と影
麻生太郎首相は6日、農林水産省地方農政局と国土交通省地方整備局の廃止を検討するよう地方分権改革推進委員会に指示した。廃止が実現すれば、国出先機関と地方自治体による「二重行政」が解消されて分権も進展する。だが、職員の身分移管と財源移譲には技術的な問題も横たわる。「受け皿」となりそうな都道府県には「財政難に拍車がかかるのではないか」と警戒感も広がっている。
東北で廃止対象に上がった東北農政局は職員2645人(07年度末)、予算2119億円(05年度決算ベース)。同じく東北地方整備局は3141人、7514億円。
地方側は「出先機関の見直しは時代の流れ。省益にとらわれることをやめ、まっさらにして国家を考えるチャンス」(寺田典城秋田県知事)と、基本的には首相の決断を支持する。
ただ、廃止に向けた議論の力点が単なる「リストラ」に置かれると、分権改革自体が骨抜きにされかねない。
2006年夏には、国家公務員を5年間で約1万9000人純減する計画を受けて東北農政局が、東北6県や管内市町村に、財源的裏付けがないまま職員の引き受けを要請する騒動があった。
各自治体は「勝手な要望だ」とはねつけたが、今回も各知事は「県は人員削減の方向で努力している。農政局と地方整備局の職員を一方的に受け入れるのは困難だ」(村井嘉浩宮城県知事)と拒否反応を示す。自治体を説得して職員や業務の移管を進めるには、財源とセットの移譲が不可欠となるだろう。
廃止方針は「国への依存から脱してほしい」という地方へのメッセージであり、出先機関への依存から脱する地方の決意が今後試される。加えて、省庁側も覚悟を迫られるが、宮城県内のある自治体関係者は「外郭団体を作って組織の温存を図る可能性もある」と、今後の「官」の抵抗を予測した。
◎東北6県知事の声
麻生太郎首相が6日、国の出先機関である農政局と地方整備局を廃止する考えを表明したことを受けて、東北の各県知事はそれぞれ所感を述べた。
<職員受け入れ困難/三村申吾青森県知事>
農政局などの廃止の話はまったく聞いていない。どの組織がいつ、どのような形で改革されるのか、国などから情報収集したい。ただ、(小泉政権で進められた国・地方財政の)三位一体改革の際、われわれ(地方自治体)は一層の行財政改革に努めた。国の職員を受け入れるという話であれば、地方はもうへとへとの状態だ。
<パフォーマンスだ/達増拓也岩手県知事>
廃止表明はパフォーマンスだ。麻生太郎首相自身、中身を分かっていないのではないか。汚染米や道路特定財源の不祥事を起こした機関に罰を与えようという発想だろうが、罰と分権改革は別問題だ。(地方分権改革推進委員長の丹羽宇一郎氏の)分権改革に対する熱意は感じた。分権委の議事録を読んでも熱意は伝わってくる。
<権限と財源セット/村井嘉浩宮城県知事>
廃止に向けた制度設計がまだ見えないので、詳しいコメントはできない。いずれにしても権限と財源の移譲がセットにならないと、県として廃止を受け入れるのは難しい。県は人員削減の方向で努力しており、職員を一方的に受け入れるのは困難だ。廃止するとしても、社会資本整備が遅れないことが大前提。それだけの財源が必要だ。
<二重行政の解消を/寺田典城秋田県知事>
二重行政を解消するのは当然だ。バブル崩壊以降、17年間で国と地方の借金は500兆円も増えた。加えてともに余剰人員を抱えている。国の制度を変えなければ、財政の健全化はできない。国から地方への人の受け入れについては、財源移譲をセットにすれば問題はない。その際に余る人は必ず出るだろう。今後の大きな課題だと思う。
<首相の指示を評価/斎藤弘山形県知事>
地方分権改革推進の立場と全国知事会のこれまでのスタンスに照らし、首相の指示は高く評価したい。今回の内容は、人材・財源の移譲・移管を受ける県や市町村にとって極めて重要なものだ。地方再生や地域振興に取り組む観点からも、地方分権改革推進委員会が、今回の指示を十分に踏まえた第二次勧告を行うことを期待したい。
<分権への姿勢理解/佐藤雄平福島県知事>
農政局、整備局の廃止を含めた見直しは、財源がどうなるかがはっきりしないとイエスともノーとも言えない。ただ、地方分権を進める姿勢は理解する。方向性はいいだろう。農政局、整備局の職員を引き受けるとなれば、財源がきちんと手当てされないといけない。人件費だけでなく、社会資本整備が遅れないだけの財源も必要だ。 河北より
東北で廃止対象に上がった東北農政局は職員2645人(07年度末)、予算2119億円(05年度決算ベース)。同じく東北地方整備局は3141人、7514億円。
地方側は「出先機関の見直しは時代の流れ。省益にとらわれることをやめ、まっさらにして国家を考えるチャンス」(寺田典城秋田県知事)と、基本的には首相の決断を支持する。
ただ、廃止に向けた議論の力点が単なる「リストラ」に置かれると、分権改革自体が骨抜きにされかねない。
2006年夏には、国家公務員を5年間で約1万9000人純減する計画を受けて東北農政局が、東北6県や管内市町村に、財源的裏付けがないまま職員の引き受けを要請する騒動があった。
各自治体は「勝手な要望だ」とはねつけたが、今回も各知事は「県は人員削減の方向で努力している。農政局と地方整備局の職員を一方的に受け入れるのは困難だ」(村井嘉浩宮城県知事)と拒否反応を示す。自治体を説得して職員や業務の移管を進めるには、財源とセットの移譲が不可欠となるだろう。
廃止方針は「国への依存から脱してほしい」という地方へのメッセージであり、出先機関への依存から脱する地方の決意が今後試される。加えて、省庁側も覚悟を迫られるが、宮城県内のある自治体関係者は「外郭団体を作って組織の温存を図る可能性もある」と、今後の「官」の抵抗を予測した。
◎東北6県知事の声
麻生太郎首相が6日、国の出先機関である農政局と地方整備局を廃止する考えを表明したことを受けて、東北の各県知事はそれぞれ所感を述べた。
<職員受け入れ困難/三村申吾青森県知事>
農政局などの廃止の話はまったく聞いていない。どの組織がいつ、どのような形で改革されるのか、国などから情報収集したい。ただ、(小泉政権で進められた国・地方財政の)三位一体改革の際、われわれ(地方自治体)は一層の行財政改革に努めた。国の職員を受け入れるという話であれば、地方はもうへとへとの状態だ。
<パフォーマンスだ/達増拓也岩手県知事>
廃止表明はパフォーマンスだ。麻生太郎首相自身、中身を分かっていないのではないか。汚染米や道路特定財源の不祥事を起こした機関に罰を与えようという発想だろうが、罰と分権改革は別問題だ。(地方分権改革推進委員長の丹羽宇一郎氏の)分権改革に対する熱意は感じた。分権委の議事録を読んでも熱意は伝わってくる。
<権限と財源セット/村井嘉浩宮城県知事>
廃止に向けた制度設計がまだ見えないので、詳しいコメントはできない。いずれにしても権限と財源の移譲がセットにならないと、県として廃止を受け入れるのは難しい。県は人員削減の方向で努力しており、職員を一方的に受け入れるのは困難だ。廃止するとしても、社会資本整備が遅れないことが大前提。それだけの財源が必要だ。
<二重行政の解消を/寺田典城秋田県知事>
二重行政を解消するのは当然だ。バブル崩壊以降、17年間で国と地方の借金は500兆円も増えた。加えてともに余剰人員を抱えている。国の制度を変えなければ、財政の健全化はできない。国から地方への人の受け入れについては、財源移譲をセットにすれば問題はない。その際に余る人は必ず出るだろう。今後の大きな課題だと思う。
<首相の指示を評価/斎藤弘山形県知事>
地方分権改革推進の立場と全国知事会のこれまでのスタンスに照らし、首相の指示は高く評価したい。今回の内容は、人材・財源の移譲・移管を受ける県や市町村にとって極めて重要なものだ。地方再生や地域振興に取り組む観点からも、地方分権改革推進委員会が、今回の指示を十分に踏まえた第二次勧告を行うことを期待したい。
<分権への姿勢理解/佐藤雄平福島県知事>
農政局、整備局の廃止を含めた見直しは、財源がどうなるかがはっきりしないとイエスともノーとも言えない。ただ、地方分権を進める姿勢は理解する。方向性はいいだろう。農政局、整備局の職員を引き受けるとなれば、財源がきちんと手当てされないといけない。人件費だけでなく、社会資本整備が遅れないだけの財源も必要だ。 河北より









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